行政法

【重要判例】パチンコ球遊器課税事件

1. 事件の概要

旧物品税法の課税対象として、「遊戯具」が指定されていたところ国税庁等が、通達パチンコ球遊器(いわゆるパチンコ台)も「遊戯具」に含まれるとの解釈を示し、これを受け税務署長は、パチンコ球遊器に対し物品税を課した。

すると、通達を機縁としてされて課税処分の適法性が問題となった。

2. 争点/論点

・パチンコ球遊器が旧物品法上の遊戯具にあたるのか

・本件のように通達を機縁として課税が行われた場合、課税処分は法の根拠に基づく処分と言えるのか。

3. 条文

条文

物品税法
(課税物件)
第1条 別表に掲げる物品には、この法律により、物品税を課する。

※物品税は1989年4月1日の消費税法施行に伴い廃止

4. 最高裁判決

 上告代理人河田広、同中川清太郎の上告理由について。

 物品税は物品税法が施行された当初(昭和4年4月1日)においては消費税として出発したものであるが、その後次第に生活必需品その他いわゆる資本的消費財も課税品目中に加えられ、現在の物品税法(昭和15年法律第40号)が制定された当時、すでに、一部生活必需品(たとえば燐寸)(第1条第3種1)や「撞球台」(第1条第2種甲類11)「乗用自動車」(第1条第2種甲類14)等の資本財もしくは資本財たり得べきものも課税品目として掲げられ、その後の改正においてさらにこの種の品目が数多く追加されたこと、いわゆる消費的消費財と生産的消費財との区別はもともと相対的なものであって、パチンコ球遊器も自家用消費財としての性格をまったく持っていないとはいい得ないこと、その他第一、二審判決の掲げるような理由にかんがみれば、社会観念上普通に遊戯具とされているパチンコ球遊器が物品税法上の「遊戯具」のうちに含まれないと解することは困難であり、原判決も、もとより、所論のように、単に立法論としてパチンコ球遊器を課税品目に加えることの妥当性を論じたものではなく、現行法の解釈として「遊戯具」中にパチンコ球遊器が含まれるとしたものであって、右判断は、正当である

 なお、論旨は、通達課税による憲法違反を云為しているが、本件の課税がたまたま所論通達を機縁として行われたものであっても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、本件課税処分は法の根拠に基く処分と解するに妨げがなく、所論違憲の主張は、通達の内容が法の定めに合致しないことを前提とするものであって、採用し得ない

 従って、本件賦課処分を当然無効であると断ずることはできないとした第一審判決を支持した原判決は正当であって論旨は理由がない。

 よって、民訴401条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

5. ポイントとなる事項

ここがポイント

・パチンコ球遊器は、旧物品税法第1条にいう遊戯具にあたる。

・課税がたまたま通達を機縁として行われたものであっても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、課税処分は法の根拠に基く処分と解する。


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  • この記事を書いた人

徳山 紗里

弁護士。京都女子大学法学部の卒業生で初の司法試験合格。 幅広い分野で弁護士の活動をしております。 詳細は私個人のホームページを参照ください。

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