刑法

放火・失火の罪について解説

1. 放火・失火の意義

「放火」とは、客体を燃焼させる現実的危険性がある行為を開始することを言い、「失火」とは過失により出火させることを言います。

2. 保護法益

保護法益は、「不特定多数人の生命、身体及び財産」という社会的法益です。

現住建造物等放火罪他人所有の非現住建造物等放火罪は構成要件に該当する行為を行うと、公共の危険の発生擬制されます。(抽象的危険犯)
想像すればわかりますが、構成要件に該当する行為自体が極めて危険です。

それ以外の放火罪(自己所有の非現住建造物等放火罪、建造物等以外放火罪)については犯罪の成立には公共の危険の発生必要となります。(具体的危険犯)
これは、放火の罪が「不特定多数人の生命、身体および財産」に対して危険を発生させることを処罰するものであるからです。

3. 放火・失火罪の一覧

4. 客体

4.1. 現住建造物等

「現住建造物等」とは、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物汽車電車艦船鉱坑のことを言います。

4.2. 非現住建造物等

「非現住建造物等」とは、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物艦船鉱坑のことを言います。

4.3. 建造物等以外

「建造物等以外」とは「現住建造物等」にも「非現住建造物等」にも該当しないものを意味します。

例えば、バイクなどが該当します。

5. 放火の着手時期

放火罪の実行行為である放火とは客体を燃焼させる現実的危険性がある行為を開始することであり、例えば放火のために室内にガソリンをまいた時点で(ガソリンに火をつけていなくても)放火罪の実行の着手が認められます。

6. 放火の既遂時期

放火の既遂時期について、判例は火が媒介物を離れて目的物が独立燃焼を継続する状態となった時点としています。(独立燃焼説)


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  • この記事を書いた人

徳山 紗里

弁護士。京都女子大学法学部の卒業生で初の司法試験合格。 幅広い分野で弁護士の活動をしております。 詳細は私個人のホームページを参照ください。

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