憲法

学問の自由について解説

1. 学問の自由の意義

戦前、学問の自由は国家権力による干渉を受けてきたという背景から、日本国憲法では条文で学問の自由を精神的自由の1つとして規定し保障されています。(公権力からの独立)

現代社会では、大学の自治という制度を通じて、教員人事の決定構内への警察立ち入りの制限などで、大学が学外の勢力から独立し、自主・自律を保つことで、学問の自由が保障されていると解されています。(制度的保障説)

2. 条文

条文

憲法23条
・学問の自由は、これを保障する。

3. 学問の自由の内容

憲法23条が保障する学問の自由には、以下の3つの自由が含まれます。

  1. 学問研究の自由
  2. 研究結果の発表の自由
  3. 教授の自由

それぞれの内容は以下の通りです。

学問研究の自由:何をどのような方法で研究するかは研究者が決定する自由
研究結果の発表の自由:研究した成果を発表する自由
教授の自由:研究結果を大学の講義または演習において教授する自由

4. 学問の自由の限界

真理の探究を目的とする学問の自由に対して利益衡量の観点から制約が課されることがある。例えば原子力研究、遺伝子研究等の最先端技術に関する学問は、不測の事態により人の生命、身体、財産等に取り返しのつかない危害を加えるおそれがあるため、通常の学問の自由に対する制約よりも強い規制が課されております。
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」、「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」

5. 大学の自治の内容

大学における学問の自由を保障するために大学の自治が認められており、その内容は「人事の自治」「学生・施設の管理の自治」の2つが含まれております。

5.1 人事の自治

大学の教授その他の研究者の人事が認められ、大学の学長教授その他の研究者大学の自主的判断に基づいて選任されます。

5.2 学生・施設の管理の自治

大学の施設学生管理について、大学に自主的な秩序維持の権能が認められております。

ここで問題となるのが、警察との関係です。犯罪捜査以外の目的(公安活動の一環で情報収集をする等)で大学の許可なく大学構内へ警察が立ち入ること大学の自治を侵す行為であるため原則として許されません。

6. 判例

大学の自治に関する判例として「東大ポポロ事件」、子供の教育権能の帰属が問題となった判例として「旭川学力テスト事件」があります。
それぞれの判例の詳細については別の記事でまとめておりますので、そちらをご確認ください。

6.1 東大ポポロ事件

こちらから

6.2 旭川学力テスト事件

こちらから

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  • この記事を書いた人

徳山 紗里

弁護士。京都女子大学法学部の卒業生で初の司法試験合格。 幅広い分野で弁護士の活動をしております。 詳細は私個人のホームページを参照ください。

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