刑法

【重要判例】大阪南港事件

1.事件の概要

被告人は三重県内で被害者の頭部を殴打(第1暴行)し脳出血を生じさせて意識を失わせ、その後、車で被害者を大阪南港の資材置き場に運び放置した。

その後、何者かが意識を失っている被害者の頭部を角材で殴打(第2暴行)して、被害者脳出血で死亡させた。

なお、第2暴行は第1暴行により既に生じていた脳出血を拡大させて、幾分か被害者の死期を早める影響を及ぼすものであった。

裁判では、被告人の行為(第1暴行)被害者の死の結果との間に因果関係が認められるかが争われた。

2.争点/論点

・何者かの第2暴行(被告人の行為後の介在事情)によって被害者の死期が早められたことにより、被告人の行為被害者の死の結果因果関係が否定されるのか?

3.条文

条文

刑法第205条
・身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

4.最高裁判決

犯人の暴行により被害者の死因となった傷害が形成された場合には、仮にその後第三者により加えられた暴行によって死期が早められたとしても、犯人の暴行と被害者の死亡との間の因果関係を肯定することができ、傷害致死罪が成立する。

5.ポイントとなる事項

ここがポイント

・死因となった脳出血は第1暴行時点で発生しており、その時点で死の結果を生じさせる危険性がある。

・介在事情が寄与した程度は大きくないと判断でき、第1暴行と被害者の死の結果に因果関係が認められる。

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  • この記事を書いた人

徳山 紗里

弁護士。京都女子大学法学部の卒業生で初の司法試験合格。 幅広い分野で弁護士の活動をしております。 詳細は私個人のホームページを参照ください。

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